こちらではガングリオンについてをQ&A形式でご説明しています。
A. 2016年1月~2018年6月30日まで通院された新規のガングリオンの患者さんは2年6か月で180例です。
その年齢分布は、44歳以下が59例と若年者に多い傾向があります。
A. 180例の性比分布は、下グラフのように男性65例(36.1%)、女性115例(63.9%)と女性が多くを占めています。
A. 原因は不明です。体幹の柔らかい若年者に発生しやすい、という報告があります。
関節や、靭帯の一部の軟部組織が破綻して周囲の組織を伴って膨隆してきて嚢胞を形成します。
ガングリオンの基部の部分はチェックバルブになっており、関節液は関節内からガングリオン内へは流れていきますが、バルブのおかげで戻りはしません。
しかし、ガングリオン基部と周囲の脆弱な部分を共に摘出しても再発することがあり、必ずしも上記の通りではないかもしれません。
A. 皮下軟部腫瘤です。手背に多く手関節を掌屈すると背側に突出物として触ります。それと痛みです。脱出する際に痛みが強くなると言います。
そのおかげで関節可動域の低下や筋力の低下、そしてガングリオンが近接する神経を圧迫するとしびれや麻痺が生じます。
A. 超音波エコー検査は侵襲がなく、簡便に診断がつきます。
内部が均一な液体が充満しているために、超音波は液体の中を何の反射もなく通過して、対側の壁にぶつかり反射してきます。
以下に、腱鞘上ガングリオン、手関節部分のガングリオンの超音波画像をお示しします。
どちらも内部が均一な腫瘤形成をし、多房性になることもあり。
A. 種々な治療があります。
注射器のついた太めの針で穿刺をして、吸引します。粘脹な内容物なので太めの針が選ばれます。
ただ、再発率は高いです。
穿刺の前には必ず画像診断をお薦めします。腫瘤として類似疾患がありますので、内部の鑑別が必要です。
用手的に圧迫して潰します。かなりの力が必要ですが、再発率は低いです。
麻酔下(局所、伝達麻酔)に摘出をします。皮下にある場所と根本は離れていることが多く、思った以上に大きな皮膚切開となるかもしれません。再発は30%程度にあります。
経年的に体が硬くなると発生が少なくなるという報告があります。大きくならなければ放置おいてもいいと思います。
当サイトを監修している田中利和は、千葉県柏市の柏Handクリニックにて、手(指・手首・ひじ)の疾患に特化した診察・治療を行っております。
2020年の開院以来、手の症状でお困りの多くの方にご来院いただいております。
日本整形外科学会専門医・日本手の外科学会専門医の資格を持った手の専門家として、患者さんと一緒に、より良い治療を一緒に考えていきたいと思っております。