5歳以下のお子さんの母指が伸展できないことや、引っ掛かりがありご家族が気づき受診されます。生下時下時からあったもので、早期にいらっしゃると多くの方は装具だけで改善します。
こちらでは強剛母指についてをQ&A形式でご説明しています。
2歳の女児の症状の動画です。両側母指の伸展が十分できません。
A. 2016年1月~2018年6月30日まで通院された新規強剛母指患者さんのは6名でした。
ほとんどは2歳から3歳ぐらいで来院されますが、6歳を過ぎていらっしゃる方もおられます。
A. 6例の性比分布は、男性2例、女性4例とやや女性が多い傾向にありました。
A. 原因ははっきりとはわかっていません。
胎生期に発症するとも言われていますが、詳細は分かっていません。
手術を行ったケースでは、腱が腱鞘部分でくびれており、腱鞘の肥厚、狭窄が起こっていると思われます。
A. 大人と同じように、中指を中心にどの指でも起こります。原因は一緒です。
保存的治療で改善が望めないときには外科的処置が必要となります。
早めに、手外科専門医を受診してください。
A. 早い時期にいらっしゃった方には、夜間だけ伸展具を着用してもらいます。経時的に診てゆくと徐々に改善します。早い方で3か月、長い方で1年かければかなりの方が、改善されます。
もしも伸展装具で改善が得られなければ、または6歳を過ぎてからいらっしゃるようであれば、手術治療が選択肢になります。
手術は根本治療で、狭窄した靭帯性腱鞘を切開して腱の滑動性を改善させることです。
いくらしっかりしたお子様でも局所麻酔での治療は困難ですので、全身麻酔下での手術となりますので、短期間の入院も必要になります。
A. 根本的には手術療法をお薦めします。
しかし、2歳、3歳のお子さんの治療は指が小さいこと、全身麻酔のリスクもありますので、小学校に上がる前まで、お待ちになるといいと思います。
A. お子さんが使っているうちに、また曲がってきます。ご心配はいりません。
A. 注射による治療の経験はありませんし、ステロイドの未熟な腱、腱周囲組織への影響についての効果がはっきりしませんので、お勧めはできません。
当サイトを監修している田中利和は、千葉県柏市の柏Handクリニックにて、手(指・手首・ひじ)の疾患に特化した診察・治療を行っております。
2020年の開院以来、手の症状でお困りの多くの方にご来院いただいております。
日本整形外科学会専門医・日本手の外科学会専門医の資格を持った手の専門家として、患者さんと一緒に、より良い治療を一緒に考えていきたいと思っております。