A. 指を延ばす腱は伸筋腱と言い、手背にあり一本一本確認ができます。握りこぶしを作るいわゆるナックルの部分の中央を腱が走っていますが、何らかの外傷により小指側に落ちてしまいます。落ちるたびに音がしたり、痛みが生じたりします。
超音波エコーで観察された画像をお示しします。上図が屈曲時、下図が伸展時の中指MP関節部の腱と腱溝の関係を示します。屈曲すると腱溝から腱が外れてしまいます。
A.腱を固定している腱鞘の一部が切れて、脱臼してしまいます。切れた腱鞘は放置していると断裂したままになるので、屈曲伸展を繰り返すたびにクリックを伴って脱臼します。
生まれつき脱臼しやすい人もいます。
何かのきっかけで痛みが起こり、外来受診される方がいらっしゃいます。
A. ほとんどは、中指です。他指に生じることは大変少ないです。 デコピン(中指を折り曲げ、一気に伸ばして相手のおでこをはじく)の際に起こることが多いです。
A.手術を勧める先生が多いと思います。
しかし、体には自然に治る力があります。少々長くかかりますが、スプリントをつけて6週間も置いておけば、多くの方は自然に癒合します。
A.慢性例になるので、グリップする際に音がしたり、引っかかったりします。同時に痛みをかんじます。 もし、慢性状態が嫌であれば、手術的に脱臼を修復する必要があります。局所麻酔で30分ぐらいで終わりますが、固定を3週間程度、またリハビリが必要になります。手術の詳細については、主治医にご相談ください。
当サイトを監修している田中利和は、千葉県柏市の柏Handクリニックにて、手(指・手首・ひじ)の疾患に特化した診察・治療を行っております。
2020年の開院以来、手の症状でお困りの多くの方にご来院いただいております。
日本整形外科学会専門医・日本手の外科学会専門医の資格を持った手の専門家として、患者さんと一緒に、より良い治療を一緒に考えていきたいと思っております。