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上腕骨外側上顆炎

目次

Q. 上腕骨外側上顆炎 (テニス肘) とは?

ピアノやバイオリンの演奏時やスポーツ時に痛みが出る上腕骨外側上顆炎(テニス肘)肘の外側がものを持ち上げた際に痛みが生じます。
ピアノやバイオリンの演奏時やスポーツ(テニスのバックハンドを打つ際に痛いので『テニス肘』と命名されている)時に痛みが出ることが多いです。

こちらでは上腕骨外側上顆炎についてをQ&A形式でご説明しています。

Q. 上腕骨外側上顆炎 (テニス肘) の
発症年齢は何歳ぐらいですか?

A. 2016年1月~2018年6月30日まで通院された新規の上腕骨外側上顆炎の患者さんの2年6か月で288例の年齢分布をお示しします。40歳以下が67例と多く、年齢が増すにしたがい減少しております。

Q. 男女比はどうですか?

A.288例の性比分布は、男性138例、女性150例と女性が多いですがほぼ近似しています。

Q. どうして痛みが出るのですか?

A. 骨に付着している筋肉の一部が剥がれてくることにより、症状が発症します。

筋肉が骨に付着する部分は、皆さんが食べるお肉の中にあるスジのように固くなり骨の中に入り込んでいます。この部分が筋肉を使うたび、また関節運動により圧迫されるために変性が生じてきます。

その炎症が痛みとなります。慢性期になると関節内へも病変は広がり、軟骨の変性や滑膜炎が起こり、肘関節全体が痛くなってしまいます。

Q. どんな原因がありますか?

A. テニス肘と別名言われますが、中学生、高校生のテニス部員にはテニス肘 (外側上顆炎) はいません。

壮年、中年の方々の方が多い印象です(上記のグラフからもわかるかと思います)。

また、テニスだけが原因ではありません。
原因は手関節、前腕の繰り返す動作です。

筋肉は肘の部分と手関節の部分に付着して、収縮することにより肘を曲げたり、手首を動かしたりします。経年的に力に対して筋、腱の力学的に弱くなり、筋肉の中央部分より付着部である肘関節周囲の筋の変性が生じるようになります。
自然治癒能力があるうちは改善しますが、変性が進行するとなかなか改善がみられません。

Q. 症状はどのようなものがありますか?

A. 局所に圧痛があります。肘の外側です。

ものを持ち上げる時に痛みが出ます。腕を伸ばした状態でものを持ち上げる、また、大きな瓶のふたを回すとき、椅子を持ち上げるとき、テニスのバックハンドを打つ時に痛みが出ます。

当初は使用時に痛みが生じますが、慢性化すると安静時、夜間痛が生じるようになります。

Q. 手術をしたくないのですが、
治療はどうしたらいいでしょうか?

テニスひじストレッチ

A. 症状の早い時期には、ストレッチが最も効果があります。

肘を真直ぐに伸ばして、手関節の背側を反対の指で掌側に押します。真直ぐ下向きに押すことから徐々に外側に向けてゆくと、30度ぐらい外に向くと最も痛い場所があります。

その部分でしっかりとストレッチを30秒間してみてください。両側やって合計1分です。

朝起きたら1回、寝る前に1回、そして、朝昼晩と食後にやって、計5回です。2週間続けてください。徐々に改善します。

最初は痛いですが、徐々に痛みは楽になってきます。

ステロイド注射をご希望の方もいらっしゃると思います。
生理食塩水注射とステロド注射の比較試験で長期経過ではステロイド注射の方が痛みの改善がないという論文もあります。お勧めできません。

その他、ショックウェイブ療法、PRP(濃厚血小板製剤注射療法)、ボトックス注射、等ありますが、どの治療も確実なわけではありませんが、効果がありという報告があります。
施行していただく担当の先生のご説明をよく聞いたうえで、ご判断ください。

Q. いろんな治療をしてきました。しかし、良くなりません。
外科的治療とはどんなことをするのでしょうか?

A. 外科的治療には大きく2種類あります。

一つは関節鏡を使い、関節内病変の評価、治療を含めて行う方法です。術者の内視鏡のスキルが必要となります。
局所麻酔や上肢麻酔でも可能ですが、全身麻酔での治療をお勧めします。

もう一つは、上腕骨外側上顆を中心とした病変部だけを切除する方法です。
局所麻酔で手術は可能ですが、関節内病変の精査や治療は困難となります。手術前にMRIを行い、病変部の範囲、程度の評価を行ってもらうといいと思います。

どちらも一定の安静期間が必要ですが、早期から使用が可能となります。
詳しくは、手外科専門医にご相談ください。

当サイト監修医は柏Handクリニックで診察をしています

当サイトを監修している田中利和は、千葉県柏市の柏Handクリニックにて、手(指・手首・ひじ)の疾患に特化した診察・治療を行っております。

2020年の開院以来、手の症状でお困りの多くの方にご来院いただいております。

日本整形外科学会専門医・日本手の外科学会専門医の資格を持った手の専門家として、患者さんと一緒に、より良い治療を一緒に考えていきたいと思っております。

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