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ばね指

ばね指の説明

ばね指は、動画のように指を曲げた後、指が伸びなくなって曲がったままになり、伸ばそうとするとバネのように急に伸びる病気です。

これはばね指の初期に特徴的な症状で、さらに進行していくと反対側の手で伸ばすのを手伝わないと伸びなくなり、無理に伸ばそうとすとひどく痛むようになります。

こちらではばね指についてをQ&A形式でご説明しています。

Q. 発症年齢は何歳ぐらいですか?

A. 2016年1月~2018年6月30日まで通院された新規ばね指患者さんの年齢分布です。
50代から増加傾向があり、65歳から69歳にピークがあります。

Q. 女性が多いと聞きますが、男女比はどうですか?

A.854例の性比分布は、下グラフのように男性33.6%、女性66.4%と女性が多い傾向にあります。

Q. どうして腱鞘炎はばね指って言うの?

A.通常は、腱と腱鞘そして、その間にある滑膜の関係が良好であれば、上図のようにスムーズに腱は腱鞘の中を出入りができます。

 

腱と腱鞘の間にある滑膜が何らかの原因(使いすぎ、ホルモン異常、細菌感染などよる化膿腱鞘炎など)で腫れてくると腱が腱鞘に入り込もうとすると邪魔をされてしまいます。

腱鞘にはある程度の柔軟性があります。腱の形態がいろいろあり途中が腫れていることもあります。

腱鞘が柔らかいと腱の形態に沿うように拡大してスムーズに出入りができます。

しかし、腱鞘が腫れて腱鞘内に炎症があると腱鞘自体が硬くなります。

このような状態では、肥厚した腱は腱鞘の中を通過することはできません。

これらの状態で無理して通ろうとするとカックンと引っ掛かりができるようになります。それがばね指です。このような関係を超音波エコーで見ると、以下の動画のようになります。

こちらのエコーの映像は太くなった腱が腱鞘に入り込もうとすると、腱鞘で引っかかています。


こちらのエコーの映像は、矢印の部分の腱鞘、腱鞘滑膜が捲れこんできている映像です。

Q. 原因は何が考えられますか?

A. 多くは年齢構成が60代で多いことをみると経年的変化を考えますが、70代以降に低下傾向が生じているところをみると決して年齢だけではないように思われます。

また、女性が多いことより、女性ホルモンの関係についての報告は多くみられます。
手を使う仕事を多くする職業因子も考えられます。
多因子による影響が最も考えられており、特定は困難そうです。

Q. 治療法はどんなものがありますか?

A. 非手術治療と手術治療があります。
手術は根本治療で、狭窄した靭帯性腱鞘を切開して腱の滑動性を改善させることです。

しかし、誰でもメスを入れられることには抵抗がありますよね。そこで選択肢となるのが、非手術治療です。
方法としては以下が挙げられます。

  • ①使いすぎが問題だから、使用頻度を減らす
  • ②女性ホルモンが関係しているので女性ホルモンの補充をする
    ※補充は乳がんの危険性があります。そこで女性ホルモンに近い大豆イソフラボンをとることをおすすめします。
  • ③炎症を起こしている腱、腱周囲滑膜を鎮静化するために、ステロイドを注射で投与する
  • 炭酸ガス療法
  • 保存的治療

田中利和のばね指治療方針

田中利和のばね指治療方針

ばね指の治療方針としましては、基本的に保存療法から始めます。もちろん、根治を希望される患者様には、手術を行います。

保存療法の中で、腱鞘注射、スプリントによる固定、内服・外用薬の使用をし、有効であればそのまま経過を観察します。もし、保存療法が有効でなかった場合には、手術をして治療するといった流れです。

Q. 注射は何本すればよくなりますか?

A. 原則的には、症状が再燃したら、注射を行います。
ステロイドの副作用もありますので、私は3回までとしています。3回注射して改善がなければ、手術療法をお薦めします。

Q. ステロイド注射の副作用は、どんなものがありますか?

A. 注射部位の皮膚脂肪の萎縮があります。部分的に皮膚が陥没したようになります。

また、注射した局所が腫れることもあります。
その原因にはステロイドを結晶化したもの(ケナコルト)による腱‐腱鞘間の摩耗による結晶性滑膜炎があり、これは鎮痛薬を飲めば改善しますが、飲んでも改善しない場合は化膿性腱、腱鞘炎を考えねばならず、すぐに医療機関を受診してください。

さらに重症な場合は腱断裂です。ステロイドにより腱が自己融解してしまいます。

ケナコルトが40㎎1回投与で腱融解が起こっています。当院では10倍に希釈して投与しており、田中着任以降、数千件以上の投与実績がありますが、腱融解、感染等の合併症は生じてはいません。

Q. 食事療法でどうにかなりますか?

A. 原因の一つに女性ホルモンの不足があります。
大豆に含まれているイソフラボンが女性ホルモンと骨格が似ていることから、豆乳や大豆製品(豆腐、納豆など)の摂取が改善の可能性がありますが、明確な証拠のある研究はありません。

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