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最新の論文のご紹介

田中利和の読んだ文献から、診断や治療に対し参考になり有用と思われる論文を紹介していきます。

論文⑥

Predicting Clinical Outcome After Surgical Treatment in patients With Carpal Tunnel Syndrome Jansen, MC., et al JHS-Am 2018 43(12) 1098-1107,

2011年11月から2015年11月までオランダエラスムスメディカルセンターとキスパートクリニックの4年間に手根管開放術を受けた3,148人のうちBoston carpal Tunnel Questionnaire(BCTQ)を術前、3か月後、6か月後に評価でき、所定の除外基準に合致しなかった1049例を対象に術後の検討を行った。

6か月後には985人(93.8%)は改善していた。64人は症状が増悪し、20人で21個の合併症(感染14人、6人が開創、1人は両方)CM関節症、ばね指、尺骨神経障害を合併してしている人は、術後の改善が小さい。術前の程度にかかわらず6か月経過時には改善していた。論文の詳細はこちら

論文⑤

Dorsal fractures of the triquetrum-avulsion or compression fractures Marc Garcia-Elias, M.D JHS-Am 1987;12:266-8.

三角骨背側のチップ骨折をみることがあるが、この発生原因は従来言われていた牽引骨折( Avulsion fracture )ではなく、長い尺骨茎状突起のcompression fracture である。

74人の三角骨背側チップ骨折の患者と100人の非骨折の対照群との比較で骨折群では茎状突起に長さが有意に長かった。受傷機転は手関節背屈受傷であった。しかし、一部に1942年にFairbankが提唱した手関節掌屈矯正による牽引骨折も含まれていた。論文の詳細はこちら

論文④

Nonunion Rates Among Ulnar-Shortening Osteotomy for Ulnar Impaction Syndrome: A Systematic Review Jessell Owens, et al 2019 in press JHS-Am

合計3つのデータベイス(PubMed, EMBASE, and Cochrane Central Register)を使用して尺骨突き上げ症候群に対する尺骨短縮術の評価のある最終的に37研究1,423人を対象にした。平均偽関節、遷延癒合率を計算した。

結果 平均偽関節率は4%、尺骨の横切り4.16%、斜め切りが3.86%で有意差はなかった。遷延骨癒合は5.7%、横切りで7.41%、斜め切りで4.1%であった。

これら文献から、偽関節率には、骨切り方法の違いはなく、どちらの骨切りを行っても、偽関節率は同等であった。論文の詳細はこちら

論文③

Diagnostically Approach to Pediatric Carpal Fractures: a Retrospective Analysis Eckert K, Tröbs RB, Schweiger B, Liedgens P, Radeloff E, Ackermann O. Z Orthop Unfall. 2016 Feb;154(1):43-9.

2010年9月~2012年2月に受診した14歳以下で初診時手根骨骨折を疑った61人(27男、34女、平均年齢11.5歳) の後ろ向き検討を行った。まず、単純写を行い、全例ギプス固定を行った。

初診時に確証できたのは2例 (3.3 %) 、6例(9.8%)で疑いがあった。残り53例(87.9%)では、なんの確証もなかった。

追加で舟状骨撮影を行った14例中1例で舟状骨骨折を確認でき、3人で疑われ、残りの10人は手根骨骨折が除外された。

平均11.8日後に再診した32人(54%)は疼痛が継続し、平均17日目にMRIが行われた。32人中12人(37%)では手根骨骨折は除外され、残りの20人(63%)で骨折が見つかった。14人が舟状骨骨折、4人が有頭骨骨折、3人が三角骨骨折、小菱形骨骨折が1例であり複数例に同時に骨折が伴っていた。

骨折のあった例では平均56日間、なかった例では15日間で症状は改善した。外科的な治療を要した例はなかった。

手根骨骨折の鑑別は難しいのでまずは2週間安静固定を行い、症状が継続するようであれば、MRIでの精査は選択肢である。論文の詳細はこちら

論文②

J Hand Surg Am. 2018 Nov;43(11):1041.e1-1041.e9. Outcomes of Splinting in Pediatric Mallet Finger. Lin JS1, Samora JB2.

Nationwide Children Hospital に2013年~2017年に受診した94人の患者さんの99本の槌指に対する治療成績についての報告である。

平均年齢は13.7歳、66人(70%)が男性、リクリエーション中に78%が受傷して80%が骨性マレットである。99%は保存的治療を行い、伸展不全は平均1度であった。治療開始が遅れたものほど伸展不全、合併症が多くなる。この年齢の手術適応は難しいと結論している。論文の詳細はこちら

論文①

Comparison of radiographic stress views for scapholunate dynamic instability in a cadaver model. Lee SK, Desai H, Silver B, Dhaliwal G, Paksima N. J Hand Surg Am. 2011 Jul;36(7):1149-57

舟状月状骨間靭帯の断裂に対するストレス撮影法は種々報告されている。
この論文では、Pubmed, Medline, JBS-A,-B, JBJSのうちの635文献から抽出した20個の撮影法について9体の新鮮凍結死体を用いて再現し、舟状骨月状骨間に開大距離について比較検討した。

結果:鉛筆を握った姿位でのAPと握った手で30度尺屈したAP像がもっとも再現性がよかった。論文の詳細はこちら

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